北朝鮮の朝鮮中央通信は2020年6月9日、同日正午から南北間の通信連絡線を
完全に遮断すると報じた。朝鮮労働党中央委員会本部と韓国大統領府を結ぶ
ホットライン(直通電話)も含まれる。5月31日に韓国の脱北者団体が
北朝鮮を批判するビラを散布した問題を巡る報復措置だとしている。
脱北者団体とは自由北朝鮮運動連合のことで31日のビラは金正恩氏や核開発を
批判する内容で50万枚を大型風船で北朝鮮側に飛ばしたものです。
上記のニュースに関して関連事項を含めて今迄の報道を纏めてみました。
上の3枚の写真は6月10日の朝、NHKテレビ「おはよう日本」の報道
北朝鮮の対韓国統括に指名された金正恩氏の妹の金与正(キムヨジョン)氏の発言と
連絡ルートが遮断されたことが確認されたとの報道。
次に、2020年6月11日の関西テレビお昼のグッディで経過も含めた解説が
ありましたので紹介します。解説者はコリアレポート編集長の辺真一氏。
キム・ヨジョン氏が台頭の背景
金与正氏が対韓国統括に選任され北朝鮮の顔として全面に出てきた背景として
下記の2つを挙げられた。
1)対北朝鮮制裁、新型コロナ流行の長期化
2)金正恩委員長の健康問題もあり一番信頼できる実妹を統治の前面に出て
北朝鮮内の体制を強化したい
キム・ヨジョン氏の経歴
Wikipediaより引用紹介します。
金 与正(キム・ヨジョン、1988年9月26日 - )は、北朝鮮の政治家。
英語版によると生年は1987年または1989年とあります。ハングル語版では1988年。
朝鮮労働党中央委員会政治局員候補、同党中央委員会組織指導部第1副部長。
元同党中央委員会宣伝扇動部第1副部長。金日成総合大学卒業。
同国第2代最高指導者の金正日総書記の四女で、同国の第3代最高指導者の金正恩委員長の実妹。
母は高容姫。現在の漢字表記が判明するまでは、金予正、金汝貞、金汝静とも表記された。
1996年4月から2000年末まで金正恩と共にスイスベルンに留学していた。
金正恩は「パク・ウン」、自身は「チョン・スン」という変名で、
朝鮮民主主義人民共和国駐スイス大使館職員の子供として、
ベルンの国際学校で英語、ドイツ語、フランス語を学んでいたという。
そのスイスの留学の時の写真は2010年6月に公開された。
北朝鮮に戻って金日成総合大学に入学したのは2007年頃とされており物理学を専攻していた。
6月4日の談話と対韓国への対抗措置内容
報復措置の第1弾「南北の通信回線を遮断」は6月9日に実施済み
南北連絡事務所は2018年4月の南北首脳会談で設置に合意し、同年9月に開所
しかし米朝交渉が膠着のあおりで事務所の活動も停滞。今年(2020年)1月からは
新型コロナウイルス感染症予防を理由に運用を停止している。
第2弾の「開城工業団地完全撤去検討」については6月13日のキムヨジョン談話で
北朝鮮・開城の南北共同連絡事務所の破壊を予告した。
さらに第3弾の「南北軍事同意の破棄検討」については
13日のキム・ヨジョン談話で、韓国と「決別する時が来たようだ」と強調した。
その上で、「次の対敵行動の行使権は軍総参謀部に委譲する」として、
軍事的な圧力を加える可能性を示した。
軍の対応の詳細は不明だが、2018年の南北軍事合意の破棄や、
軍事境界線付近での軍備増強などが考えられ、緊張が高まりそうだ。
韓国の対応
韓国統一省はビラを散布した脱北者団体を刑事告発し法人設立許可取り消し手続き
に着手。南北融和策を推進する文大統領からの発信は無いが北朝鮮が要求する
経済援助などの交渉に応じることも考えられる。
関連サイト:
日経新聞電子版(2020-6-9付):https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60143430Z00C20A6FF8000/
youtube動画:From vlogs to mukbang, YouTube is North Korea’s new face of propaganda
北朝鮮は経済制裁にも拘わらず困窮していないよとPRするための動画か?
https://www.washingtonpost.com/world/two-years-after-trump-kim-met-n-korea-voices-despair-vows-to-build-military/2020/06/11/62095810-ac48-11ea-868b-93d63cd833b2_story.html