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Channel: CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ)
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昭和8年(1933)11月7・8両日開催の第1回 神戸みなとの祭

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はじめに(神戸みなとの祭開催までの時代背景)

昭和2年(1927年)2月の片岡直温大蔵大臣の大失言(「渡辺銀行が行き詰まった」)により、
同年の3月15日東京渡辺銀行などが取り付け休業となり昭和恐慌が始まっています。
既に経営不振に陥っていた神戸の「鈴木商店」が同年4月に破綻した。
昭和3年(1928)の4月には第2次山東出兵、同年6月4日には張作霖爆殺事件など軍部が
台頭し経済危機打倒を旗印に対抗勢力を治安維持法により取り締まりが強化された。
昭和4年(1929)10月24日にはNY市場で株価の大暴落(暗黒の木曜日)で世界恐慌
「大学は出たけれど」就職先なしの流行語も生まれた。昭和6年(1931)満州事変が勃発し、
国際社会で批判の目が向けられるようになっています。しかし、満州事変により、海運業界は
活況を呈し、鉄鋼と造船の町である神戸は、この軍需景気の恩恵を蒙り、経済状態も少し息を
吹き返した。このような時代状況の中、神戸市は時代の不安な気分を払拭しようと、
昭和8年(1933)11月7日、8日の2日間、第1回「みなとの祭」を開催した。


第1回 神戸みなとの祭の行事内容

出典:「神戸みなとの祭  第1回(昭和8年11月7・8日)」著者:神戸市民祭協会 編
    出版者:神戸市民祭協会

上記の文献に行事内容と写真が添付されていますので簡単に紹介していきます。

第1 日(11月7 日)
・神事祭典(大倉山公園) 9:00~11:00
・祭の女王戴冠式(兵庫突堤) 12:30~ 
  菊の生花で飾られた自動車に搭乗 国際大行進の先頭として出発
・国際大行進(市内) 13:30~
・神戸ナイト(海上提灯行列) 夜間 打ち上げ花火(南防波堤、東防波堤、中央突堤先端)
・音楽演奏(湊川公園, 外人劇場) 午後
・学校児童生徒体操大会, 旗行列(原田の森、市民運動場に集合) 10:00~
・市民大祝賀会

第2 日(11 月8 日)
・懐古行列(市内) 12:30~  550名参加
・スポーツ諸会 10:00~

二日間に亘る行事
・菊花展覧会(大倉山公園、湊川公園)
・花電車及び市内装飾
・港湾巡覧
・市内各町の行事

第1回 神戸みなとの祭の写真集


上の写真は「国際大行進」の出発の風景


上の写真は「花の女王と王女の花自動車」


上の写真は「花自動車」


上の写真は「懐古行列」出発前




上の2枚の写真は「花電車」




上の2枚の写真は「懐古行列」

懐古行列のテーマは次の3つ
 1)源平合戦

 2)楠木正成の忠孝

 3)神戸港開港前後の経過


懐古行列の見方という小冊子が作成されています。


上の写真は懐古行列の見方の著者 岡久渭城の「はしがき」の部分

内容についてもう少し詳しく記述します。

1)源平合戦: 福原遷都から一の谷合戦迄 1~20番まで

2)楠木正成の忠孝:大楠公の聖駕奉迎 1~12番

3)神戸港開港前後の経過:

  ・談判から開港まで 1~7番

  ・七卿落の思い出 1~5番

  ・神戸海軍操練所 1~7番

  ・開港当時の姿  1~16番


上の写真は出典の表紙(兵庫県立図書館の蔵書)  


上の写真は昭和8年(1933)頃の神戸市街図


「みなとの祭」は昭和8年以降も回を重ねますが、次第に戦時色を濃くし、賑やかな催しは中止され、
神事だけが行われるようになりました。戦後、昭和23年に復活し、 25年の神戸博覧会を機に懐古行列が、
その翌年に国際大行進が加わり次第に戦前の賑わいを取り戻していきました。


上の写真は「第28回 みなとの祭」の行事内容を記したものです。 

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