Quantcast
Channel: CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3915

NHKスペシャル 「アジア巨大遺跡第4集 縄文・奇跡の大集落」を視聴して

$
0
0
2015年11月8日 NHKスペシャル 「アジア巨大遺跡第4集 縄文・奇跡の大集落
~1万年持続の秘密~」を視聴しました。

番組の概要を下記のように要約しました。
一万年も続いた縄文文化に世界の学者達が注目している。番組では何故長きに
渡り縄文文化が持続できたのかを主題に縄文土器や土偶と精霊との関係、さらに
漆の採取がこの時代に既に製作され今も色あせない状態で出土していること。
豊かな栗の森を植林して管理した姿などが紹介されていた。

本ブログでは三内丸山遺跡については今後、是非訪問したい場所なので予習を
兼ねて番組から得られたことを整理していきます。

三内丸山遺跡の話に入る前にまず、縄文時代の概要について記します。
 縄文時代は今から1万3000年前から2300年前の時代を
 総称しており約1万1000年続いた。

 縄文時代は非常にロングレンジですのでさらに下記のように分類されます。
 
 -草創期 1万2000年前~9,000年前
 -早期   9,000年前~6,000年前
 -前期   6,000年前~5,000年前
 -中期   5,000年前~4,000年前
 -後期   4,000年前~3,000年前
 -晩期   3,000年前~2,300年前

上記の分類は小和田哲男監修「すぐわかる日本の歴史」東京美術(2000)の
Page29の分類によった。(下記の土器の特徴も参照してください)


 縄文時代 狩猟、木の実など採取、漁業による食料確保の時代
  1万年前は現在より2℃低かったが
   縄文早期 9000年前 2万人   この頃には現在より平均気温高い
   縄文前期 6000年前 11万人
   縄文中期 5000年前 26万人
   縄文後期 4000年前 16万人  4500年前より寒冷化

   縄文晩期 3000年前 7.6万人  
  縄文期は西日本の人口は少なく、東日本に人口が集中
  東日本は、ブナを中心とする冷温帯落葉樹林は後退し、代わって
  コナラ、クリを中心とする暖温帯落葉樹林が広がり、西日本は
  カシ、シイの常緑照葉樹林となった。
  木の実の生産性は照葉樹林より落葉樹林、特に暖温帯落葉樹林が
  圧倒的に高いため、こうした温暖化により東日本を中心に
  日本の人口は急増したといわれる。

 
 人口の元データは下記のWebサイトより引用
  人口の超長期推移

これより、平成4年(1992)から発掘が行われている三内丸山遺跡について
話題を移します。

三内丸山遺跡の基本情報

 住所:青森県青森市三内丸山  TEL:017-766-8282
 発掘開始時期:平成4年(1992)
 遺跡の存在していた時期:約5,500年前~約4,000年前 縄文前期から中期
 遺跡からの発掘物のヒスイ(新潟産)、黒曜石(北海道産)からこれらの
 地域と交易があったと考えられています。
 公式HP:http://sannaimaruyama.pref.aomori.jp/




上の2枚の写真は三内丸山遺跡の遠景(以下写真は上記NHKテレビ番組より)


上の写真は32m×10mで300人が入れる巨大建造物。
権力者が存在しムラを支配していたことが判る。


また6本のクリの木の柱からなる物見櫓は他のムラとの争いがあった
と思われる。(柱の高さは23mの木を使用から15m程度と推定)

集落の人口は500人程度と推計されています。(番組では数百人と表現)


三内丸山遺跡から出土した約2,000の土偶を分析した岡田康博氏は年代別に
土偶の出土数と三内丸山遺跡に周辺のムラが集約していく過程を解明した。
(下の2枚の写真)






上の写真は出土した装身具。狩猟民と言えば貧しい民と考えられるが豊かな
文化を持ち生活していたと想像できる。


古代四大文明は農耕文化であるが縄文は農耕を受け入れず狩猟生活で豊かな
文明を育んだ。

移動せずに約5,500年前~約4,000年前の1,500年にわたり三内丸山遺跡が存続
し得たのは豊かな森の恩恵がある。


上の写真は三内丸山遺跡におけるクリが植えられていた森の範囲です。


上の写真は三内丸山遺跡の時代の代表的な土器である火焔(かえん)土器です。
煮炊きする土器は食べることができる食料の種類を大幅に増加させ人口増を
可能にさせる有力な要因の一つになった。


上の写真は出土した漆を塗った道具。
漆を使用した漆器の文化は現在も存続しています。

豊かな森と日本海、太平洋の暖流は春、夏、秋、冬の四季を生み出した。

縄文人は春はワラビ、コゴミ、ウド及びハマグリ、アサビ
    夏はブリ、サバなどの漁
    秋はクリ、クルミ、トチなどの実
    冬はシカ、イノシシ、ウサギ、カモなどの狩猟
 主な食糧を年中確保することに成功した。


上の写真は番組製作に協力された機関の一覧です。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3915

Trending Articles