神戸市の国宝については以前、小生の下記ブログで纏めています。(4件の国宝があります)
今回は少し範囲を広げて兵庫県の国宝について纏めてみました。2回に分けて纏めます。
その1は建造物、その2は美術品(彫刻、考古資料、古文書・書籍、工芸品・絵画)です。
参照書籍
2)播磨の国宝 播磨学研究所編(2018)
3)SAVVY 2018年2月号 「関西の国宝」
兵庫県には11件の国宝建築があります。5件は姫路城に関わるもので、6件は寺院建築です。
早速、その中身に入っていきましょう。
上の写真は兵庫県内の11件の国宝建築を一挙に網羅したものです。
出典は忘れてしまいました。兵庫県立図書館が纏めたものか?
それでは各論に移っていきましょう。
姫路城(5件)
・姫路城イ、ロ、ハ、ニの渡櫓
・姫路城乾小天守
・姫路城西小天守
・姫路城大天守
・姫路城東小天守
国宝指定年月日:昭和26年(1951)6月9日
姫路城の基本情報
住所:姫路市本町68番地 姫路城三の丸広場北側(姫路城管理事務所) TEL:079-285-11
公式サイト:http://www.city.himeji.lg.jp/guide/castle.html
上の6枚の写真は2016年3月26日訪問時の姫路城
上の写真は2)の書籍Page215からの引用で連立式天守構造を持つ城のなかで姫路城が
大天守と小天守の一体感があり、松山城や和歌山城では一体感を欠くと論評されています。
一乗寺(1件)
・一乗寺三重塔
国宝指定:昭和27年(1952)3月29日
一乗寺の基本情報
住所:兵庫県加西市坂本町821-17 TEL:0790-48-2006(地蔵院・本坊)
0790-48-4000(納経所)
宗派:天台宗 山号:法華山 御本尊:聖観音菩薩
開基:法道仙人
創建:孝徳天皇の勅願で白雉元年(650)
御詠歌:春は花夏は橘秋は菊 いつも妙なる法の華山
公式サイト:http://saikoku33.gr.jp/place/26
上の2枚の写真は一乗寺の象徴とも言える三重塔 撮影:2013-11-6
三重塔は承安元年(1171)の建立。
Wikipediani一乗寺の創建当初に関する記述がありそれを引用紹介します。
創建当時の一乗寺は現在地のやや北に位置する笠松山にあったと推定されている。
笠松山の山麓には古法華(ふるほっけ)石仏と称される奈良時代の三尊石仏(重要文化財)があり、
「古法華」とは「法華山一乗寺の旧地」の意味と思われる。
現存する一乗寺三重塔は平安時代末期の承安元年(1171年)の建立であるところから、
その年までには現在地において伽藍が整備されていたと思われるが、正確な移転時期は不明である。
鶴林寺(2件)
・鶴林寺本堂
・鶴林寺太子堂
国宝指定年月日:昭和27年(1952)11月22日
鶴林寺の基本情報
住所:加古川市加古川町北在家424 TEL:079-454-7053
宗派は天台宗 本尊:薬師如来
創建:崇峻天皇2年(589) 播磨の法隆寺とも呼ばれています。
開基:聖徳太子
公式HP:http://www.kakurinji.or.jp/mainpage/top-kakurinji.htm
上の2枚の写真は右手が大師堂、左手が本堂 撮影:2014-1-8
上の写真は本堂 撮影:2014-1-8
上の写真は鶴林寺の概要説明板 撮影:2014-1-8
鶴林寺の鬼追い行事については下記のブログで綴っています。
浄土寺(1件)
・浄土寺浄土堂
国宝指定年月日:昭和27年(1952)3月29日
浄土寺の基本情報
住所:兵庫県小野市浄谷町2094 TEL:0794-62-2651
宗派:高野山真言宗 山号:極楽山 創建年代:鎌倉時代の建久年間(1190-1198)
開基:重源上人 正式な名前は俊乗坊重源(しゅんじょうぼう ちょうげん)
上の写真は著名な仏師快慶の大作「阿弥陀三尊像」が収容されている浄土堂(阿弥陀堂)。
撮影:2010-11-30
堂は建久5年(1194)に上棟し、同8年(1197年)に完成供養を行ったと記録されている。
渡宋経験のあった重源は、大仏殿をはじめとする東大寺諸堂の復興や各地の
別所寺院の建築に際し、当時の中国(宋)の最新式の建築様式を採用した。
これが現代において大仏様(かつては天竺様とも呼んだ)と呼ばれる建築様式で、
鎌倉時代以後の寺院建築に大きな影響を与えたが、重源が手がけた大仏様建築で
現存するものは他に東大寺南大門と同寺開山堂のみである。
(以上 Wikipediaより引用)
朝光寺(1件)
・朝光寺本堂
国宝指定年月日:昭和29年(1954)3月20日
朝光寺の基本情報
住所:兵庫県加東市社町畑609 TEL:0795-44-0735
山号:鹿野山(ろくやさん)宗派:高野山真言宗
御本尊:2躯の十一面千手千眼観世音菩薩立像
公式サイト(加東観光協会):http://www.kato-kanko.jp/2017/03/choukouji/
上の2枚の写真は本堂の建物。撮影:2012-9-26
重要文化財の指定 大正12年3月28日 国宝には昭和29年(1954)3月20日
厨子嵌板墨書に本堂の仏壇が応永20年(1413)8月15日に建立されたこと
上瓦が応永35年(1428)5月15日から始まり正長元年(1428)10月21日に
葺き替えが完了したこと。御本尊の移徒が応永20年(1413)8月15日に
行われたことが記載されています。
また瓦に作者の銘が確認されているものとして天文16年(1547)10月26日
大和国西之京住人瓦大工橘朝臣国次があります。
解体修理は最近では2012年1月瓦の葺き替え、昭和11年(1935)解体修理が
行われています。
朝光寺の鬼踊りについては下記のブログで書いています。
太山寺(1件)
・太山寺本堂
国宝指定年月日:昭和30年(1955)6月22日
太山寺の基本情報
住所:神戸市北区伊川谷町前開224 TEL:078-974-0250
宗派:天台宗 山号:三身山 開山:藤原鎌足の子供の定恵和尚
建立:霊亀2年(716)藤原鎌足の孫宇合により建立
公式HP:http://www.do-main.co.jp/taisanji/index.html
上の写真は太山寺本堂 撮影:2008-11-23
上の写真は2016年5月12日撮影の太山寺本堂
Wikipediaによる解説を引用させていただきます。
太山寺(たいさんじ)は兵庫県神戸市西区にある天台宗の仏教寺院。
山号を三身山(さんしんざん)と称する。本尊は薬師如来と十一面観音、
開基(創立者)は藤原宇合(ふじわらのうまかい)と伝える。
「播州太山寺縁起」によれば、元正天皇の勅願寺として716年(霊亀2年)に
発願者である藤原鎌足の孫の藤原宇合が堂塔伽藍を建立したとされる。
開山(初代住職)は藤原鎌足の長男・定恵(じょうえ、「定慧」「貞恵」とも書く)と
されている。創建時の建物は1285年(弘安8年)の火災で焼失しており、
現存する建物はそれ以降に再建されたものである。
本堂の建物は和唐折衷様式、柱真々間正面20.82m・側面17.76m
太山寺の鬼踊りについては下記ブログで書いています。